霧の向こうにぼんやりと高い岩山の形が見えました。
あれが剣ヶ峰かな?
と、期待に胸を膨らませましたが、違いました。
立ち止まり、辺りを見渡してみます。
霧に包まれ、前にも後ろにも人影は見当たりません。
両サイドは崖になっており、近くにあった標識には剣ヶ峰まで0.5㎞と書かれています。
「遠いなぁ」と口にしながらも、笑顔になった私はどんどん進んで行きました。
広くなった道を、足跡を頼りに歩いて行くと再び登り坂になりました。
人一人しか通れないような道の右側斜面には雪が残っています。
きっとここが、残雪のため規制されていた場所なのでしょう。
狭い道を抜けると、人影が見えました。
どうやら剣ヶ峰へ着いたようです。
階段を上がると気象観測所があり、すぐそばに日本最高峰の石碑があります!
標高3,776㍍の日本最高地点です!
幸い人が少なかったため、何枚か写真を撮ることができました。(自撮りばかりなので公開は控えさせていただきます。)
霧に包まれていたため、日本最高峰からの景色を眺めることはできませんでしたが、とても嬉しかったです。
そうこうしていると何人もの登山者が登ってきたので、私は剣ヶ峰の"馬の背"から下っていき、郵便局へやってきました。
両親へ富士山頂から葉書を出したかったからです。
手がかじかんで上手く字が書けませんでした。
剣ヶ峰の反対側、伊豆岳辺りは晴れていて、美しい山肌を見ることができました。
赤や黒、黄色い岩が露出しており、風化した小石はドライフルーツのようでした。
日本にいるとは思えない光景にとても感激しました。
つづく