ほとんど霧に包まれている富士山山頂ですが、すり鉢状の火口は綺麗に見えました。
もう一周お鉢回りをしたい気分でしたが、無理は禁物なため、火口を眺めながら休憩をして、下山することにしました。
10:00 下山開始です。
下山道は砂地で結構な傾斜がありました。
山小屋も岩場もなく同じような道をひたすら下って行きます。
日射しがきつく、登り以上に汗をかいたように感じました。
しかし、相変わらず麓は霧に包まれています。
森林限界を越えた山頂の方は赤い山肌をしており、斜面が丸みを帯びて膨らんでいるのがわかります。
遠くから眺めているだけでは知り得なかった、登山者にしかわからない発見ができたことが嬉しく、弾む気持ちで下山して行きました。
徐々に植物が目に付き始め、やがて六合目まで下りてきました。
「今下山してきたんだぞ!」と心持ち逞しい顔つきでこれから登る登山者とすれ違い、吉田口五号目を目指します。
あと少しの距離がとても遠く感じました。
12:40 吉田口五号目へ到着です。
富士登山が無事に終了しました。
しかし、不思議と達成感をあまり感じられませんでした。
五号目で休憩や食事をしたいとは一切思わず、早く家に帰って歯を磨き、お風呂に入りたいという気持ちでいっぱいでした。
登山前は今回の富士登山がとても不安で、正直なところ"登山道崩落で吉田ルートから山頂へ行けない"というニュースに安堵した自分がいました。
しかし富士山を登りながら、仮復旧工事が完了したというニュースを見た時点で、予定通り思いきって登山して良かったという思いでいっぱいになりました。
海外からの登山者と道を譲り合ったり、片言の英語で言葉を交わしたりと貴重な経験ができ、また、大地は生きている。私も生きている。ということが実感できた登山でした。
またここに来よう。
次は五号目からではなく麓から山頂を目指そう。
という目標もできました。
富士山の魅力が、皆さんに少しでも伝われば幸いです。
富士登山おわり。