塞翁が馬

 

筆者が出身の大学では毎年卒業式に著名人を招待している。

筆者が卒業した年はiPS細胞を発見した山中伸弥教授が招かれた。

 

山中教授から私たち卒業生に贈られた言葉は

『塞翁が馬』

人の幸不幸はわからない

という意味だ。

 

一見不幸な出来事のように見えて、実はそれが良い結果に繋がっている。

 

雪国と無縁の筆者が12月に盛岡に転勤になり、ペーパードライバー歴8年でいきなり雪、霧、氷の中を運転する羽目になった。

 

春には退職して海外語学留学へ行く

それが筆者の計画だった。

10月の中間面談でその旨を上司に話すつもりだった

 

ーーサインと印鑑ちょうだい

 

え?面談やった体ですか?

 

ーー忙しくて時間とれないよ

 

いつ話そう…

12月の人事考課のフィードバッグのときかな?

 

11月

起きたら電話をくれと部長から届いていたSMS

電話で伝えられた盛岡へ異動の内示

寝ぼけた頭で「行きます」と答えた間抜けな筆者

正式に辞令が出たあとで、車がないと通勤・生活が厳しいと知らされた。

 

 

退職します。

 

ーー辞めるなら盛岡行ってから辞めて。

 

 

車購入に消えた留学費用

初めて購入した車はこれから初めて過ごす盛岡ナンバー

厳しい寒さ

最高気温0℃

車の雪下ろし

手のしもやけ

寒冷地仕様のエアコンは消費電力が多いため、自宅に居ながらも節電のため寒さに震える日々。

春になって雪が溶けたら、オートキャンプ場やロードバイクを積んで色んなところへ走りに行こう!!

 

凍結した歩道

車社会で歩行者は邪魔者扱い

 

運転手さん、筆者のこと、見えてますか??

車を運転するより歩いている方が危険なの!?

 

通勤で毎日運転していたら、1ヶ月が立つ頃には運転が楽しくなってきた。

飛行機や新幹線で行けない場所を開拓しよう

行動範囲が広がるぞ!

でも冬の盛岡には出かける場所がない。

 

 

春の陽気が感じられた3月頭

遠くへドライブをしようと3連休を申請していた。

 

3連休の3日前

交通事故に遭った。

 

今まで我慢してきたのに

やっと迎えた春なのに

ちょうど納車3ヶ月で事故に遭った

エアバッグは運転席助手席共に作動しており、全損になる可能性が高いと言われた。

 

 

胸の打撲

打撲がこんなにも痛いとは思わなかった。

 

 

骨折せずに済んだのは不幸中の幸いかもしれない。

でも、筆者は無傷なのに車は死んでしまった(廃車)

そう考えると涙が溢れてくる。

 

 

これも塞翁が馬なのかな

3連休でドライブに出かけていたら、人を轢いていたのかな

山道のカーブを曲がり切れずガードレールを突き破って転落していたのかな

盛岡へ転勤せず計画通り留学をしていたら、現地の暴動に巻き込まれたり、誘拐されて暴行され、有り金全部を奪われていたのかな

 

事故に遭ったことは不幸だ

軽症だろうが修理可能だろうが不幸なことに間違いはない

 

事故に遭った当時

 

痛っ!!

嘘でしょ……

でも、これでこの会社辞められる

 

事故に遭ってやっと決意できた

今の会社を辞めること。

給料が減っても東京で仕事をしながら生きていきたいこと。

もうこの会社のために1㍉も自分を犠牲にしたく無いこと。

 

塞翁が馬

 

きっと上手くいくよ

 

会社の人たちに

大丈夫?

メンタルきてない?

とよく聞かれる

 

すでに筆者のメンタルは前の職場で壊れているので、何が辛くて何が平気なのかわかりません!笑

 

筆者が休めば誰かが穴埋めをしないといけない。

車の運転は嫌だけど、出勤時間に間に合うバスが無い。

 

平気じゃないと思うよ

筆者

 

早くこの会社辞めないと